思春期お悩み相談室(派遣488日目 2019/08/02)
今日は、NGO団体の活動にちょこちょこついていきました。
いつもはビーチ清掃プロジェクトをしているこの団体、
実はもうひとつ精力的に取り組んでいるプロジェクトがあって、
それが、
昨年は、町の小学校をまわって、
エイズとは何か、
性感染症の予防、
避妊具の使い方などなどを講義してまわっていました。
で、
今日は、
小学校高学年(5~7年生)を対象に、
選抜された生徒たち数十名を連れて、
病院にあるSAAJを訪問してきました!
SAAJとは…
Serviços Amigos dos Adolescentes e Jovens
直訳すると、
『若者と思春期の友達サービス』
なんのこっちゃ??
という感じですが、
要は、
『ティーンエイジャーのための相談室、診療室』
のこと!
ビランクーロの公立病院のある区画にあって、
他の病棟とは離れているのでプライバシーが守られます。
ここでは、
HIV検査や相談、
妊娠や出産に関わる相談、
避妊具(コンドーム、ピル等)の配布、
などなどのサービスを無料で受けることができます。
対象年齢は10~24歳。
公的な施設らしいんだけど、
ほとんどが海外からの支援で成り立っているとか…(ポル語力ないので理解が合ってるか不明…)
まず、
こんな施設があることに驚き!!!
日本にこんなのあるかな??
思春期の若者を対象にした病棟(?)なんてないよね??
モザンビークでは若年妊娠や、エイズ感染が深刻な問題だからこそ、
こういう対応がとられているのかもしれないけど、
↑これらの問題が深刻なのは日本も同じだよね。
公立の病院にわかりやすく、
『思春期お悩み診療室』!!みたいなのあってもいいのかもしれない…
いや、逆に入りづらいか??(@_@)
看護師さんが、
SAAJで提供しているサービスについて丁寧に説明。
「プライバシーは守られます。恥ずかしいことじゃないのよ。妊娠した、させた、エイズになったかもしれない、何でも相談しに来て。ちゃんと検査もできるし、薬も渡せるから。」
と、
繰り返し繰り返し、説明してくれました。
小学校高学年~中学生くらいとはいえ、
日本人よりも、小柄な子が多くて、まだまだ幼さが残る彼らに対して、
などといった話を率直に伝える看護師さん。
うーん、日本じゃなかなかないよなぁ…。
子どもたちもとっても真剣に聞いてた!
驚いたのが、
と聞かれて、
と、ちゃんと答えている子がいたこと!
えらい!!
「何か質問はない?」
と看護師さんに聞かれて、
最初は探り探りだった子どもたちも、
どんどん積極的に質問するように。
「エイズになったらどんな症状が起こるの?」
「(女性は生理が始まったら妊娠するけど)男性は何歳から子どもを作れるようになるの?」
「エイズはどうやって治すの?」
などなど。
素直な質問を、恥ずかしがらずにする。
えらい!!
エイズ検査と治療についての説明で、
看護師さんが興味深い答えをしてました。
「エイズは性行為をすれば誰でも感染の疑いがある。まずは検査することが大事なの。検査は無料よ。感染がわかったら薬も出せる。祈祷師にお祈りしてもらうと、挨拶するだけで200メティカルなのよ!病院にきましょうね!」
き、祈祷師…!!
そう、
モザンビークでは未だに、
民間療法(というか、呪術やまじないの類い)で病気を治す方法も、
残っています。
家庭によっては、現代医療を信用せずに、祈祷師にお願いする場合もあるとかないとか、、、。
ある女の子は、こんな質問も。
「でも、ある牧師さんが、エイズをお祈りで治したって聞いたんですけど…」
おぉ…。
祈祷師だけじゃなくて、教会の牧師さんまで…。
信仰心の高いモザン人にとっては、「祈る」という行為はとても尊いことなんだろうな…。
この質問に対しても、
看護師さんは丁寧に、
「お祈りでは治らないから、必ず病院にきてくださいね」
と答えていました。
説明のあとは、みんなで実際にSAAJの診療室を見学。
「こんな感じで、なんでも相談しに来れるからねー」
的なことを話していました。
避妊具などの説明が書いてあった。
こんな説明、
日本だと、保健体育の教科書ですら、ここまで書いてあったかどうか、、、
生徒たちは今日学んだことを、
来れなかった生徒たちに教えてあげる、
というのが『宿題』になっています。
SAAJの存在はまだそんなに知られていなくて、
これを機に積極的に利用してほしいそうです。
小学校高学年じゃ、まだ早いんじゃないか?!と思ったけど、
一生懸命に、話を聞く生徒たちを見たら、
こうやって早いうちから知識を身に着けていくことこそ、大切なんだなと思いました。
今日は私もたくさん勉強になった!
ちょこちょこついていっただけなのに、ありがたい。
ざっくばらんに、オープンに、
性教育ができる環境、
それを素直に受け止める生徒たち。
日本も学ぶべき部分があるよなぁと思いました。
こういう話に触れるたび、つくづく、日本の性教育は遅れているなぁ、と思ってしまう…。