お金ください、と言われたら…。
モザンビークではよく、
(モザンビークだけじゃなく、他の国でもあるけど)
「お金ください」
と
道ばたで話しかけられます。
言ってしまえば、
物乞い、
です。
協力隊時代に住んでいたビランクーロでも、よく出くわしていたんだけど、
首都マプトだと、
ちょっと雰囲気が違う。
ビランクーロだと、
そのへんのガキンチョなんかが、
外国人の私を見つけると、
「ねーねー5メチ(10円くらい)ちょーだい!」
と、ニヤニヤしながら言ってきたりするのが、多かったんだけど、
(そして、私はそんなこと言うもんじゃない、まず挨拶せぇ、と説教する)
マプトだと、
車を運転中、赤信号で停車したのを見計らって、
窓越しにやってきて、
「お金をください」のジェスチャーをする。
ガキンチョではなく、
老若男女問わず。
そして、
杖をついていたり、
車椅子に乗ったおばあさんを子供が連れていたり、
赤ちゃんをおぶったお母さんだったり。
車に乗ってなくても、
道ばたでも言われる。
「お金をください。助けてほしい。お腹が空いてます。お願いです。」
そんなことを、悲しげな顔して訴えてきます。
彼らに出会った時、
私は目も合わさず、
無視を決め込みます。
彼らも、
相手にしてくれないとわかると、
静かに去っていきます。
でも、
周りを見てると、
たまに、車の窓越しにお金を渡す外国人もいたりします。
別に、
物乞いする彼らは大金を要求するわけじゃなし、
脅すわけでもなし、
彼らに小銭を与えることは、
募金箱に募金することと、
もしかしたら大差ないのかもしれない。
じゃあ、
なんで私は、彼らにお金をあげるのが嫌なんだろう?
なんで彼らを無視するんだろう?
私なりに考えた理由。
・車の運転に集中したい(シンプルに!)
・悲しげな顔も、ボロボロの服も、子ども×体の悪い老人の組み合わせも、同情をひくためのパフォーマンスに見えるから
・一度あげてしまったら、顔を覚えられて、そのあと出くわすたびにせがまれそうだから
・私が数十円与えたところで、どれくらい彼らの糧になるのか、疑問。
・そもそも、お金くださいと言われて、小銭をあげることに対して、すごく上から目線というか、偉ぶってるような気がして、いや。
思いつく理由を並べてみた、
けど、
なんかこれもこれで、
は?何様??
という気もする。
だって、
現に私にはお金があって、
彼らより(かなり)裕福な暮らしをしていて、
彼らに数十円あげることは嫌がるくせに、
200円以上するジェラートを美味しく食べている。
それっぽい理由並べて、
自分を正当化したいだけなのかもしれない。
物乞いをする彼らにとっては、
数十円が今お腹を満たすために必要なお金で、
仕事もなくて、
効率よくお金を得るために行きついた最終手段が、
路上で物乞い、
なのかもしれない。
はたまた、
全部フェイクで、小銭稼ぎたいだけなのかもしれないけど。
物乞いを無視する私は間違っているかもしれないし、
合ってるのかもしれないし、
それはわからないけど、
こういう何気ない日常の中でも、
格差とか、
貧困とか、
日本にいたらあまり考えないことを、
ひりひりと感じられるのは、
私にとっては意味のあることだなぁと、思います。
うまく表現できないけど、
うまく表現できないということを、
書き留めておこう。