ゆるモザ日記。

青年海外協力隊を終えて、再びモザンビークにて就職。ゆるく、楽しく、自分らしく。

自動販売機がある国(派遣417日目 2019/05/23)

中学の時、

青年海外協力隊の経験のある男性が、

非常勤講師として私の通う学校に来てた。

どこの国でどんな活動をしていたのかは、

まったく覚えていないんだけど、

「密林の中をさまよった話」とか

「ゲリラに襲われそうになった話」とか

とにかく、

ただならぬ雰囲気の話ばかりしてくれたので、

中学生の私は

「協力隊ってこわい!そんな未開の地にわざわざ行くなんてありえない!そんなことやる人すごい!!」

と思っていました。











あれから約15年…














協力隊やってたわ、自分…(゜゜)






もちろん、「未開の地で命の危険にさらされる」なんてことは微塵もなく、

毎日、穏やかながらも刺激的な楽しい生活をさせてもらってます。

人生何がどうなるかわからんもんだねぇ。。。





で、





その講師の人が言っていたことで、

1つだけ、

未だに強く印象に残っていることがあります。





「日本に帰ってきた時、そこらじゅうにある自動販売機に感動した」




と。




中学生の私は思いました。

「え?自動販売機??そんなの道にあって当たり前じゃん?私がいる田舎ですらあるよ?」

と。


彼が言うには、

「お金さえあれば、冷たい飲み物がそこらじゅうですぐ手に入る」

「誰も自動販売機の中から、お金や飲み物を盗もうとしない」

そこに、

ひどく感動した、と。




当時の私は、

いまいちわからなかった。

「当たり前に自動販売機がある」ことの、

特異さ。





15年経って、

モザンビークにて、

家庭教師ディオカシアに、

自動販売機の話をしてみた。



私「日本には道に自動販売機ってのがあって、お金を入れると、飲み物が出てくる。この機械の周りには人はいないんだよ。機械だけ」


ディオ「え…理解できない…どういうこと?」

私「(スマホ検索して画像を見せる)ここにお金をいれて、飲み物が出てくる…」

ディオ「お釣りはどうするの?」

私「機械から出てくるよ」

ディオ「え?売り手はいないの?」

私「いないよ。でも、誰も機械の中のお金や飲み物は盗まないよ」

ディオ「わかった!この機械には警報がついていて、盗もうとしたら警報が鳴るんでしょ!」

私「んーーー?警報ないと思うなぁ。でも、誰も盗まないよ」

ディオ「なんで??ありえないよ」

私「んー。。。も、モラルがあるから??」

ディオ「うーん(納得いってない)」





結局、

納得してもらえるようなことは、

私のポル語力では伝えられなかった…。

でも、

改めて考えてみたら、

たしかにすごい。




もしも、モザンビーク自動販売機を置いたら、

たぶん、あっという間に破壊されて、

中身はスッカラカンになるでしょう。。。



日本の治安の良さ(もちろん経済的豊かであることに起因しているのだけど)は、

飛び抜けているのだなぁ、

と思ったり。

その治安の良さも、

日本の苦しい時代を生き抜いた先人たちの努力あってこそなんだよなぁ、

と思ったり。




たとえ、

治安の問題が解決されたとして、

モザンビーク自動販売機が普及したら、

道ばたで飲み物を売る人たちとか、

たくさんの人が職を失うことになるんでしょう。





日本にいたら当たり前の風景でも、

少し視点を変えれば、

全く違って見えてくる。

いろんなことが見えてくる。


日本の当たり前は、当たり前じゃない。


そんな出来事に毎日でくわします。



歳を重ねるたびに、凝り固まっていきそうになる私の価値観は、

ありがたいことに、

モザンビークでどんどんアップデートされている、

気がする。

日常から学ぶことは多いなー、





f:id:yurumoza:20190524031400j:plain

こちら、モザンビークの当たり前の風景。

木材 on the head

おばちゃんの頭頂部にはどんなバランス感覚が備わっているんだ…

まだまだモザンの日常は私にとって新鮮です。




にほんブログ村 海外生活ブログ 青年海外協力隊へ
にほんブログ村