ゆるモザ日記。

青年海外協力隊を終えて、再びモザンビークにて就職。ゆるく、楽しく、自分らしく。

モザン脱出24時(後編)

※前編から読んでね※



警官たちに追い立てられるように高速料金所を後にする私達。

バス4台の前後にはパトカー複数台。

どうやら警官たちは国境まで私達を監視しながら連れて行くつもりらしい、、、



見た目がマジで連行されるアジア人…。

マジ護送車。



バス同士で連絡をとることもできず、わけもわからず、

でも、バスはモザン方面へ引き返していく。



少しでも私達が路肩に止まろうとすると、


ウゥーーーー!!!


と、けたたましくサイレンを鳴らされる…






落ち着いてくれ…(´Д`)

せめて話をさせてくれ…







そのまま数十キロ戻ったところで、給油のためガソリンスタンドへ。


ここでも、

私達が車外に出ようとすると、


「降りんなぁぁぁぁ"ぁ"!!!」


と再び怒鳴られまくる。



えぇぇ…(´Д`)



ちなみに警官達ですが、

男性も女性もいた。

そして、みんなデカい。

なんでそんな怒鳴れるの?ってくらい、

普段から発声練習してるの??ってくらい、

力の限り叫んでました。



そんなんやってるもんだから、

関係のない一般市民も、

私達の方をじろじろ見てくる始末。

何この犯罪者扱い…。




その後も

さながらカーチェイスの様相で、

ただただ来た道を爆走で戻っていく我々。




絶望。




実はこの時、

JICA職員の方が、南ア事務所に連絡をとってくれ、

南ア事務所から、南アの警察トップに事情を説明してもらい、私達を解放するよう動いてくれていました。

しかし、

警察トップから、現場の警官達に情報が降りてくるまで、

スムーズに進むわけもなく…。




有無を言わせず、ずんずんと我々をモザン国境まで連行していくパトカー。




無情にも過ぎていく時間。

帰国フライトどころか、

モザンにも帰れず、

南アにも留まれない、

なんて最悪の状況すら頭をかすめる…。



絶望。



どんどん増えていくパトカー。

騒ぎを聞きつけたマスコミ、

そしてやじうま。

なんだかとんでもないことになってきました…





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実際、この時の様子は様々なメディアで拡散され、ツイッターやネットニュースに載りました。

↓このニュースは比較的マシなほうで、

Covid-19: Japanese workers at South African border to be escorted to Joburg airport to fly out

中には「アジア人観光客が不法入国!」「彼らは検査もせずに入国した!」

みたいな無茶苦茶なものもあり…

私達の写真も使用され(当然、無許可)、

もう

勝手にしてくれ状態…

どうでもいいから解放してくれ…






バスの車内の雰囲気も最悪。

なんせ、早朝6時半に出発し、

7時間以上が経過。

その間、トイレに行けたのは入国審査の時だけ。

食べたものはお菓子やパンのみ。




溜まるストレス

減る胃袋

張る膀胱

排泄の衝動

問答無用

(謎の韻踏み)






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ビビリながらパトカーを撮影。(だって向こうがガンガン撮影してきたからね!)

この車には警察犬まで乗ってた、どんだけ。

他にパトカー5台くらいと、マスコミっぽいのも2台くらい。




しばらくして、





裏で動きがあったようで、

路肩に停車するバスとパトカー。



何やら警官達の勢いもトーンダウン。

何かを確認している警官達。



そして、

この隙に

車外に飛び出し、

用を足す協力隊員…。





男女問わず、

南アの青空の下、

野ション、、、








私、

マプト~ビランクーロの長距離バスでも野ションはせずに耐えてきたのに…!!

まさか南アで…!!

カプラナ(アフリカ布)で外から見えないように工夫しつつ(モザンテクニック)、

用を足す…。








謎の解放感。







JICA職員さんともやっと話ができ、

「警官トップに話が通じたみたいで、これで解放されます」

と嬉しい報告。




自由だぁーーーー!

フリーダーーーム!

\(^o^)/





解放された心と膀胱とともに

バスに乗り込む。

出発。






バスとパトカーはモザン方面へ。









(゜゜)???










なんと、

まだ解放されるタイミングではなかったようで…






結局そこから再び連行状態で2時間弱走り、







到着してしまいました…

モザン国境に…





絶and望





そしてなぜか、

検疫?保健所?に降ろされる我々。




警官たち曰く、ここで体調チェック(コロナウイルス感染予防の目的で)をしてなんともなかったら、

ヨハネスブルクに行っていいと…







なんでもいいから早くしてくれ…

疲労困憊じゃ、こっちは…(´Д`)









が、




何も指示がないまま時間だけすぎる。




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どうやら、

この保健所には検査できる設備もないようで、

警官からなんの話も通っていなかった保健所からしたら

「あんたら何しにきたん??」状態。



おいコラ警察、仕事しろ。



放置プレイの日本人。



そして、



業務終了の時間(=17時)だからと、

そそくさと帰る警官たち。








うぉぉぉぉぉおおおおおおおお(咆哮)


お前ら、こんだけ連れ回して恫喝したあげく、

なんの説明もなしに帰るんかぁぁぁい(゚Д゚)




呆and然



そして、

フライト時間にも間に合わず、



THE END










と、

思われましたが、

なんとなんと、

私達が当初乗る予定だった

ヨハネスブルク→ドバイ

のフライトが9時間も遅延!(空港でトラブルがあったらしい)




時刻は17時半

空港までは5時間

フライトは深夜3時




…間に合う!!!




さらに、

このフライトを運営しているエミレーツ航空が、

25日までに全便欠航することを発表。



さらにさらに、

モザン国境が封鎖されるとの噂。



さらにさらにさらに、

モザンで初のコロナウイルス陽性患者が出たことで、

ますます検疫強化される予想。








このフライトを逃したら帰れなくなる!!!!!




これに乗るしかねぇ!!!!!









映画かよ…

映画ならこっからBGMが変わって、一気にクライマックスに向かうシーン…







ここからのJICAの対応も素晴らしかった。

既に10時間以上の連続運転をしているモザンドライバーをこれ以上拘束するのはよくないと判断し、

南ア事務所の協力のもと新たな車と運転手を手配。



さらに、

夜のヨハネスブルクは治安が悪いため、

南ア事務所そして、

誤解が溶けて味方になってくれた(おせぇよ)警官たちが護衛についた状態で、

空港まで向かうことに。








映画かよ…







希望が見えてきて、

ちょっと元気になる我々。

車内でも、

一周回ってハイテンション。







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国境から1時間半くらいしたところで、

車の乗り換え。



南ア事務所の職員の方とも合流、

「皆さん、大丈夫ですから!( ´∀`)」







ヒーローかよ…

こんなにJICA職員が輝いてみえたことないよ(失礼)




ちなみにこの日は日曜日。

休日にも関わらず、

私達を空港に送り届けるためだけにこんなにも尽力してくれた皆さん、

本当にありがとうございましたm(_ _)m




すっかり夜も更けて、

深夜0時過ぎ。



無事にヨハネスブルク空港に到着。



マプトを出発してから、

実に18時間……





遠すぎだろ……_(┐「ε:)_


※本来なら7時間で着きます







日中のヨハネスブルク空港は、欠航が相次ぎ大混乱だったそうですが、

深夜になり、人もまばら。

スムーズにチェックインできました。




そして無事、出発。



かくして我々は、

ドバイに到着。




その後も、

ドバイでの12時間以上のトランジットや、

日本行きが欠航になるんじゃないかって噂が出るなど、

なんやかんやなんやかんやありましたが、





南アで壮絶な出国を経た私達に

もはや何の動揺もなかった……






「なるようになる…帰れればそれでいい…(ー人ー)」






協力隊、

達観する。






そして、

大きなトラブルもなく日本到着。




マプトを出てから

53時間。



長い、長すぎる帰路の旅でした…




日本に到着する頃には、

モザンを離れる寂しさや

2年間を終えた感慨深さは

どこかに消えてなくなってしまい…笑

ただただ、

無事に帰国できてよかったという感想のみ。



帰国をサポートしてくれた全ての関係者の皆様、

ありがとうございました。




モザン帰国第3グループのみんな、

ほんとおつかれ。

いつかこの時の話を肴に飲みましょう…笑




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